コンディショニングセンターのスタッフは、
USA( http://www.usa-j.jp/ )の大会救護を行っています。
USAとはUnited Spirit Associationの略でチアとダンスの協会です。
USAでは毎年リージョナル(地区大会)が12月から2月まで行われ、3月に幕張メッセにてナショナルズ(全国大会)が行われます。
音楽に合わせて笑顔でダイナミックにダンスするチアという競技は、
見ていて本当に心の底から感動します。
ぜひ皆さんにも一度、生で見ていただきたいものです。
先日行われたリージョナルの埼玉大会で救護スタッフをさせていただき、
ウォーミングアップ中のタンブリングを見ていて思ったことがあったので記事として書かせていただきます。
まずタンブリングとは、
床やマットの上で跳躍や回転を行う運動である。
Wikipedia
具体的に言うと、側転やハンドスプリングなどといった技の総称です。
USAの大会では演技前にメイン会場やアップエリアでタンブリングの練習をすることが出来ます。
いつケガが起きるかわからないので
私たち救護スタッフも選手の練習を見守ります。
練習を見ていると、
タンブリングの際に肘が曲がってしまう選手が結構いました。
もちろん技術的に未熟な場合も肘が曲がってしまうことがあると思いますが、
今回はトレーニングの観点から解説させていただきます。
タンブリングの際に肘が曲がってしまう原因の1つが、
肩(特に三角筋)の筋力不足です。
タンブリング時にマットに手がついたときは、
肩に大きな力がかかっています。
この大きな力を受けるための
肩の筋力がないと身体をしっかり支えることが出来ず、
身体が安定せずに揺れてしまい微妙にバランスを崩し、肘が曲がることにつながってしまうと思われます。
また大きな力が肩の筋力だけでは支えきれないことで
腕にかかってしまい、腕の筋肉も大きな力を支えきることが出来ず
肘が曲がってしまうということもあるでしょう。
2つ目の原因は
上腕三頭筋の筋力不足です。
上腕三頭筋とは二の腕にある肘を伸ばす働きをする筋肉です。
この筋肉が弱ければ、
肘を伸ばしておくことが出来ず肘が曲がってしまうことは、
想像しやすいと思います。
むしろこちらの2番目の原因が、タンブリングの際に肘が曲がってしまうほとんどを占めているんではないだろうかと思っています。
以上、簡単ではありますがこれらの原因によって肘曲がりが起きていると考えています。
どのように改善するか・・・。
これは単純に肩(三頭筋)と上腕三頭筋の筋トレ(ウエイトトレーニング)をすることで解決できると思います。
さぁ三角筋と上腕三頭筋のトレーニングをしようと思って検索すると様々なトレーニング方法が出てきますが、ここでは特に私のお勧めのトレーニングをご紹介します。
1つ目は
「オーバーヘッドプレス」です。
なるべく顔を正面に向けたまま胸を張りでバー真上にあげていきます。
肩甲骨の可動域を最大するために動画のように顔が出る位置まで持ち上げましょう。
バーを下す時もスピードを丁寧にコントロールしてください。
このトレーニングは、三角筋、三頭筋をターゲットにしっかりとトレーニングすることが出来ます。
もちろん最初はバーですら重いかもしれないのでダンベルで行っても構いません。
そして2つ目は
誰もが知っているだであろうトレーニングの「ベンチプレス」です。
ベンチプレスは、大胸筋の強化を目的に行うトレーニングですが、
上腕三頭筋も力を発揮します。
そして
ベンチプレスは上肢のトレーニングの中で一番、重い重量を扱える種目なので
その分、上腕三頭筋にも大きな負荷がかけられることで強化につながります。
チアの競技者は女性の割合が多くを占めていることと思います。
どうしても女性スポーツでさらに審美系スポーツとなると
「筋トレ」は身体が大きくなってしまうというマイナスなイメージがあり、
敬遠されがちですが、
回数やプログラムの組み方によっては、
身体を大きく(筋肥大)させずに、強くすることが可能です。
もちろん、
筋力をつけたからといってすぐに肘が曲がらなくなるようになるわけでは
ありませんし、タンブリングそのものの技術練習をしっかり行わなければ
上手にできるようにならないことは言うまでもありません。
しかし、いくら練習しても肘が曲がってしまう選手には
ここで紹介したトレーニングが、ブレークスルーとなることもあるでしょう。
ぜひタンブリングで肘が曲がってしまうという方は、
このブログを参考にトレーニングをしてみてください。
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